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葬儀の互助会の問題点〜トラブルの事例

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互助会とは、正式名称を冠婚葬祭互助会と言い、毎月一定額を積み立てる事で、葬儀(冠婚葬祭)の費用に充てられる仕組みを持った会員制サービスです。互助会は割賦販売法に基づいて、経済産業大臣の審査をクリアした団体だけが行える事業です。生きてる内からコツコツと積み立てておく事で、いざという時に遺族に金銭的な負担を掛けないで済むのがメリットです。

万が一の事態に備えて掛け金を支払うと仕組みは保険に似ていますが、保険は現金で補償するのに対し、互助会はサービスが提供されるという違いがあります。2006年の日本経済情報課「日本の葬祭業の動向」によると、全国の約4割の人が葬儀で互助会を利用しているとの事です。

互助会の積み立ては、毎月3000円を100回支払うなどが一般的で、お葬式の際には掛け金以上(50〜60万円程度)のサービスが受けられるという仕組みになっています。お葬式の料金の平均相場はおよそ200万円なので、30万円の積み立てではこれを全ては賄えませんが、通常よりも安価に済ませる事は出来ます。

基本的に、互助会では積み立て途中でもサービスが受けられる仕組みになっています。つまり100回払いが終わる途中で亡くなったとしても、満額と同じ扱いになります。そして、完納後も何歳まで生きようと、永続的に権利が保証される場合が多いです。また、加入者だけでなく家族全員がサービスを受けられる互助会もあります。

こうしたメリットがある一方、互助会は色々な問題点やトラブルがある事も指摘されています。その一つが、実際にはほとんど葬儀が安くならない場合が多い事です。互助会トラブルの事例として、30万円相当の積み立てで葬儀費用全てを賄えると提案してきたので契約したにも関わらず、実際には料理や返礼品や火葬料などがオプションで追加された事によって、最終的に200万円を超える請求をされたというクチコミ情報もあります。

基本的に、互助会のサービスで得をするのは、例えば高額な祭壇を比較的安価に利用出来る、などという点です。つまり、ある程度大きな規模の葬儀では互助会も役に立ちますが、近年増加傾向にある家族葬のような小規模葬儀ではほとんど意味がないのです。

解約に関するトラブルが最も多い

他に、互助会は解約したくても中々出来ないという問題点もあります。互助会は多くの掛け金を集める事で成り立つ事業ですから、解約される事は死活問題となります。そのため解約を申し出ても何だかんだと理由を付けて断られる事例が非常に多く、しぶしぶ応じた場合も膨大な違約金を請求されたというクチコミ情報もあるなど、その被害は後を絶ちません。互助会に加入したことが原因で老後破産に陥った・・・なんて洒落にならない事例まであるようです。

1984年の割賦販売法改変によって、互助会との契約はいかなる場合でも解約出来ると定められましたが、そのルールを全く守らない業者も多いのが現状です。解約は互助会で最も多いトラブルであり、2012年に全国消費者生活情報ネットワーク・システムに寄せられた互助会への苦情の事例は3477件で、うち解約に関しては半数以上の1958件にのぼるそうです。

また、互助会は倒産のリスクがある事も大きな問題点です。倒産した場合、50%は法律上の保全義務があるため返還されるはずですが、掛け金の半分は戻ってこない危険性が高いのです。

葬儀の互助会の問題点まとめ
・安さがメリットであるにも関わらず、実際には各種オプションが付けられて通常の葬儀と変わらない料金になりがち
・解約が中々出来ないうえ、違約金を請求される場合もある
・互助会が倒産した場合は掛け金の半額までしか保証がない

日本は少子高齢化が進んでおり、それに伴って互助会の収入は減少傾向にあります。また長引く低金利や株式市場の低迷で、積立金の運用も上手くいっていない所が多く、経営難に陥っている互助会も多いようです。今後は団塊の世代の大量死時代を迎えますので、互助会は支払いが増える一方になり、運営が好転する可能性は低いです。

そもそも監督官庁である経済産業省は、葬儀互助会のM&A(合併)を推進しています。倒産により被害者が出ることを避けるため、純資産の規定を設けるなどして、互助会同士を合併させて経営の安定化を要請するようです。

このように、互助会ではメリット以上に問題点やトラブルの事例が多く寄せられており、また経済産業省からも(悪い意味で)注目されている存在です。互助会に今から新規加入するのは、リスクが高いのであまりお勧めできません。

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