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親の介護はやっても損なのか?

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相続には「寄与分」という制度があります。寄与分とは、被相続人の財産を増やす(もしくは減少を防ぐ)事に貢献した相続人に対して、法定相続分に上乗せした金額を相続する権利を与えて、相続人全体の公平性を図る仕組みの事です。

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では、長年親を介護してきた子供は、寄与分が考慮されてより多くの財産を相続出来るでしょうか?「多く貰えなければ介護のやり損じゃないか」とおもうかもしれませんが、実は答えはNOです。親の介護と寄与分(財産を多く貰える権利)は基本的に無関係なのです。

寄与分が認められるには、経済的に特別な貢献があった事が条件となっています(長年、被相続人の仕事に従事してきたなど)。介護のように子供が親の面倒を見る事は当然の行為と考えられるため、寄与分とは判断されないのです。

また、介護の貢献度を金額に換算する事は難しいという点も、寄与分が認められない理由の一つです。ゆえに、認知症になったり寝たきりになった親を10年以上介護してきたとしても、そのことが理由で相続できるお金が増える事は無いのです。

確かに、被相続人が献身的に介護してくれた子供に対して、多くの遺産を残すと遺言に記す事は十分考えられるでしょう。とはいえ、これは被相続人の考え方次第であって、法律的に保障されている事ではありません。多くの人は自分の親の介護に見返りを求めてはいないでしょうが、遺産を多く貰いたいがために介護しても無意味だと認識しておくべきでしょう。

介護は金銭的にも肉体的にも負担が大きく、特に認知症は家族の消耗度が半端ではありません。ゆえに、兄弟間で親の面倒を見るか否かでトラブルになるケースは多いです。ですから高齢者は、予め世話を掛ける子供達に「介護はやり損だ」とならないよう、遺言で自分を介護してくれた子供に配慮した遺産分配を指定すべきですね。

寄与分に関する相続税の計算方法

なお、寄与分が認められた場合の相続額の計算は、財産の総額から寄与分額を控除し、残りを法定相続分によって分配、最後に寄与分を加算する事になります。

例えば、1億円の財産を兄弟二人で相続する場合、通常はそれぞれ2分の1の5000万円ずつを得る事になります。ですが、兄に2000万円の寄与分が認められていた場合、1億円から予め2000万円を引いた8000万円を基準に計算します。それぞれ8000万円の2分の1で4000万円、兄はそれに加えて寄与分が加算されます。よって、この場合は兄が6000万円、弟が4000万円を基準に相続税を計算します(⇒相続税の対象となる資産と計算方法)。

親の介護はやっても損なのか?まとめ
・相続では、被相続人に尽くしてきた貢献度に応じて相続財産が上乗せされる寄与分という制度がある
・しかし法律上、親の介護は寄与分として認められない
・遺言で指定しておけば、介護者にお金を多く相続させる事は可能

ちなみに、法務省は2016年6月に、こうした相続に関する遺産分割について見直す案を公表しました。例えば、妻が夫の父親(義父)の介護を長年努めてきたとしても、現在では相続権利がありませんが、これを夫などに対して金銭請求が出来るように改めていく事が検討されています。他人の親の介護だと「やり損だ!」と感じる人も多いでしょうから、何らかの見返りが得られるような法改正はぜひ行うべきですね。

また、配偶者の法定相続分を現在の2分の1から3分の2に引き上げる案も盛り込まれています。

少子高齢化や親戚付き合いの希薄化など、平成になって日本人のライフスタイルは大きく変化しています。それに合わせて今後は、相続の法律も変更されていくことが予想されます。

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