親や夫が亡くなったら行う手続き
世帯主が死去したら、家族が行わねばならない手続きが沢山あります。

お墓や納骨・埋葬の基礎知識

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亡くなった人は葬式後に火葬され、遺骨はお墓に納骨・埋葬される事になります。先祖代々のお墓があるお寺を菩提寺と言い、この菩提寺にお布施などをして経済的に支援する家を檀家と呼びます。日本では昔から先祖のお墓を受け継いでいくのが一般的でした。

しかし近年は核家族化が進み、親子がバラバラの地域に住むようになった事で、お墓の維持・管理が難しくなっている事情があります。また死生観の多様化により、仏教はおろか宗教を一切信じない人も増えており、菩提寺と檀家の関係は希薄になっていきています。若い人の中には、自分の菩提寺を知らない(あるかどうかも分からない)というケースも珍しくないです。

また悲しいことに、引き取る人が居ない遺骨も全国的に増加しているようです。朝日新聞(2016年12/31号)の調べによると、誰も引き取らないため仕方なく自治体が管理している遺骨が、10年間で2倍に増えていると言います。全国20の政令指定都市で最多なのが大阪市で、遺骨の保管期間が1年と極端に短いにもかかわらず、ダントツに多い(約3千体)とのことです。

高齢化社会により、身寄りのない遺骨や、管理者の居ない無縁仏も増えています。子孫に迷惑を掛けないためにも、お墓の事は生前から十分に考えておくべきです。

お墓を建てる費用

日本でのお墓の費用は、墓石代が約150万円、永代使用料が50万円程度で、合計で200万円以上もかかるとの統計です。その他にも、戒名を付けるだけで数十万円、入檀料(檀家になるための料金)が約10万円、お墓の年間管理費として約1万円など、様々な費用がかかります。

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料金だけでなく、田舎から東京に出てきて仕事や家庭を持っているので、お墓参りに行けないという家庭も増加して居ます。悲しいことに、無縁仏として処分されるお墓も増えています。これからは、孫やその先の代の事まで考え、都心の納骨堂を利用する事なども、選択肢として考慮すべき時代だと言えるでしょう。

お墓を安く済ませる方法

中には、お墓の料金を安く済ませる方法もあります。その一つが、公営霊園へ納骨する事です。公営霊園とは、地方自治体が管理・運営する公共の墓地の事で、永代供養料や管理料などが比較的安価で済むのがメリットです。料金は墓石等をを含めて100〜150万円程度で、一般的なお寺への納骨と比べて50〜100万円も安くなります。

他には、骨仏という納骨方法もあります。骨仏とは、複数人の遺骨を集めて粉末化し、布糊や土を混ぜて作った仏像の事です。骨仏は大阪府天王寺区にある一心寺が有名ですが、他にも全国の色々なお寺で実施されている納骨方法です。家族毎に埋葬するスペースが必要ないため、料金が安く設定されている点が特長です。

そして、近年では遺骨を細かく砕いて海などに蒔く散骨という方法も広まっています。散骨はお墓の維持管理費が必要ないため、料金が圧倒的に安く済むメリットがあります。

近年では、墓を全く用意せず火葬後に遺骨を処分する「ゼロ葬」という考え方も広まっています。また遺骨の大部分を処分し、一部をペンダントなどに加工して手元供養する方法も生まれてきました。但し、大阪ではゼロ葬の理解が広まっていますが、東京圏では御法度だという風習が根強いです。詳しくはお墓を建てずに遺骨を処分しても良いのか?のページを参照下さい。

お墓の引越しや撤去

ちなみに、既に菩提寺に納骨している場合でも、お墓の維持が難しくなったなら、檀家をやめる方法を使い、他の埋葬へ切り替える「改葬」も可能です。その際は、市区町村が発行する改葬許可証が必要となります。なお、お墓を建てる時に必要な永代使用料は、土地を購入するための費用ではなく、あくまでその場所を借りるためのお金です。

ゆえに、納骨を別の場所に変更する場合はお墓を撤去する墓じまいも併せて必要です。墓じまいをする際は、突然行うと言い出すとトラブルになるので、予め菩提寺と十分に話し合う事が重要です。また、離檀料として10〜20万円程度をお寺に支払う必要があります(墓じまいの費用)。不当な料金にも思えますが、長期的に見れば墓じまいする方がコスパは良いので我慢です。

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なお、近年ではお墓参りと清掃などを代行してくれるサービスも生まれています。しかし、墓参り代行サービスのメリットと問題点で書きましたが、1回1〜2万円程度掛かる上、作業はコストダウンを図るためにアルバイトが行うケースが多いので、お寺や他の檀家さんとトラブルになるケースもあるようです。ご先祖様の墓の管理をあかの他人に任せる位なら、素直に墓じまいする方がよいのではないでしょうか?

仏壇は必要なのか?

お墓や位牌と共に仏壇も必要なのでは?と考える人も居ます。しかし仏壇は、日本の葬儀業界が勝手に作った風習であり、購入する事は故人の供養に必須ではありません。逆に仏壇があればお墓は不要か?と疑問に思う人も居るでしょうが、前述のようにお墓自体も絶対必要なものではなく、遺骨を適切に処分すれば法律的に問題ありません。

故人の希望などで仏壇が欲しいという人も、高い買い物になる上に、クリーニングなどメンテナンスのコストも掛かってくる訳なので、仏壇の料金相場と口コミ・評判のページで基礎知識を理解した上で、商談に望むべきです。

このように、納骨や埋葬方法などの葬祭文化は、時代と共に変化してきています。しかし、たとえ般若心経や魂の輪廻転生を信じなくとも、故人を大切に供養するのは家族としての努めです。このコーナーでは、埋葬・お墓にかかる料金や納骨方法などについて解説していきます。

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