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秘密証書遺言の書き方とデメリット

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遺言書は主に、遺言者自身が内容を記述する「自筆証書遺言」、公証役場で専門家に遺言の内容を書いてもらう「公正証書遺言」、遺言者が遺言を書いた事実を公証役場で証明してもらう「秘密証書遺言」の三種類があります。このページでは、中でも最もマイナーである秘密証書遺言の書き方やデメリットについて解説します。

遺言の種類と内容の比較
  作成 保管 第三者確認 コスト
自筆証書遺言 自分 自分 なし なし
公正証書遺言 公証役場 公証役場 あり 必要
秘密証書遺言 自分 自分 作成事実のみ 必要

秘密証書遺言の書き方は、概ね自筆証書遺言と同じです。まず、適当な用紙(文字が書けるなら基本的にメモ帳でも何でも構わない)に遺言書という表題を記述します。次に、財産分配などについての本文の内容を書き、作成した日付を記入します。最後に署名・押印をして封をすれば遺言は完成です。

その後、証人(遺言を書いた事を確認してもらう第三者)と共に、全国に約300ヶ所ある公証役場に出向いて遺言を提示し、本人の遺言書である事と氏名・住所等を述べます。その後に公証役場の人が遺言書を提出した日付と遺言者の申述を封筒に記入、遺言者と証人二人がそれぞれ署名押印すれば手続きは終わりです。

秘密証書遺言の特徴は、内容の秘密性が保たれたまま、遺言の存在を証明してもらえる点です。自筆証書遺言は、自分一人で遺言を作成する書き方ですので、亡くなった後も遺族が遺言に気付かないかもしれないというデメリットがあります。一方、公正証書遺言は公証役場で責任を持って遺言を保管してくれているので、遺言の存在に気付かれないという心配はありませんが、内容を公証役場や証人に知られる事になります。その点、秘密証書遺言ならばそういったデメリットはありません。

そして、秘密証書遺言は自筆証書遺言と違って、必ずしも遺言者自身が文字を書く必要はない事になっています。自筆証書遺言では、遺言者自身が内容を記述するという書き方のルールがありますが、これは内容が改ざんされるリスクを防ぐための対策です。一方、秘密証書遺言は遺言書を書き終わって封印された状態で公証役場で確認がされるので、その後改ざんされる心配がない訳です。

よって、遺言書は代筆してもらっても構わないですし、自筆証書遺言では認められていないパソコンなどのデジタル機器での作成も可能になっています。ただし、署名と押印だけは遺言者自身で行う必要があります。

遺言の書き方や内容が正しいかどうかは保証されない

しかし、秘密証書遺言にはいくつかのデメリットがあります。その一つが、遺言書の保管方法の問題です。秘密証書遺言における公証役場の役目は、あくまで依頼人が「遺言を作成したという事実」を証明する事だけであり、作成も保管は遺言者自身で行う必要があります。ですから、盗難や紛失などのトラブルが起きる可能性は考えられます。

他に、手続きが面倒というデメリットもあります。秘密証書遺言は、公正証書遺言とほぼ同等の手続きを行わなければなりません。遺言書の確認の際には二人以上の証人の立会いが必要ですし、公証役場に支払う手数料が一律11000円かかります。

加えて、遺言が無効になる恐れがあるのが大きなデメリットです。自筆証書遺言は、書き方に間違いがあって遺言書として無効になる心配がありますが、費用は一切かかりません。公正証書遺言は、作成に数万円の費用が必要ですが、確実に遺言の内容が執行される保障があります。

それに対し、秘密証書遺言は11000円の費用がかかるにも関わらず、内容や書き方の不備によっては遺言が無効になる可能性もあります。リスクもコストも中途半端な方法だと言えます。

秘密証書遺言の書き方とデメリットまとめ
・秘密証書遺言の書き方は自筆証書遺言とほぼ同じ
・遺言書の保管は自身で行う必要がある
・公証役場でお金が必要なうえ、内容の不備で無効になるリスクも拭えない

間違いなく遺言を実行して欲しいのであれば、リスクのある秘密証書遺言よりも、コストが掛かっても公正証書遺言を選ぶべきでしょう。

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