親や夫が亡くなったら行う手続き
世帯主が死去したら、家族が行わねばならない手続きが沢山あります。

故人のパソコン・スマホがパスワード解除できない時の対処法

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近年は世の中のデジタル化が進んでおり、高齢者でもパソコンやスマートフォンを使う人が増えています。総務省の「情報通信白書」によると、2015年末のインターネット利用率は、60歳〜64歳で81.6%、80歳以上でも20.2%にものぼります。

一方で、高齢者でもパソコンやスマホを利用する時代になったことで、それに伴った遺品トラブルも増えています。故人のパソコンやスマホなどは「デジタル遺品」とも呼ばれており、IDやパスワードが分からずに遺族が中身(データ)を確認出来ないという問題が頻出しているのです。

仮に、故人がパソコンやスマホでインターネットを利用していただけなら、パスワードが分からなくても大した問題は無いので、そのまま処分すれば良いだけと思われがちです。しかし、故人が家族に隠れて株の売買をしていたとか、遺言をパソコン内に書き残していた場合などは、後に大きな金銭トラブルに発展するリスクもあります。ゆえに、デジタル遺品の処分は事前にロックを解除して、中身を確認してみる事が必要です。

※ちなみにPCで作った遺言には、法的効力がありません ⇒遺言が無効になる事例

パスワードを解除する対処法としては、まず遺族が考えられるパスワードを片っ端から入力してみる事です。高齢者はあまり記憶力が良くないので、パスワードは誕生日や結婚記念日とか、家の電話番号の下4桁など、安易な数字や単語に設定している人も多く、家族が見当が付く場合もあります。また、故人がパスワードを忘れた時の用心のために、手帳などに記入している可能性も考えられるので、そうしたメモを探すのも有効な対処方法です。

メーカーでは解除できないので、専門業者を頼る

このように遺族達で手を尽くしても、運が悪ければロック解除できないです。しかし、パソコンやスマホを販売するメーカーでは、基本的にパスワード解除の依頼を受け付けていません。例えばスマホのパスワード解除については、ドコモ、au、ソフトバンクの携帯電話3社はいずれも非対応です。ガラケーの場合はデータの閲覧が可能な場合もあるようですが、スマホのパスワードは端末自体にかけられたセキュリティなので、キャリアでも解除は出来ないそうです。

ゆえに、どうしてもロックを解除が出来ない場合は、パスワードの解析や解除を有料で請け負っているデジタル遺品整理業者へ依頼するのが最終手段です。業者の解除方法は企業秘密という事ですが、おそらく専用の解除ソフトを用いて、パスワードを総当たり方式で入力する方法が用いられていると推測されます。デジタル遺品整理業者の料金は1万〜2万円程度が相場ですが、ロック解除が失敗に終わった場合は無料という業者もあるので、リスクは少ないので試してみると良いかもしれません。

こうしたデジタル遺品トラブルを避けるためには、生前にパスワードを信頼できる家族だけに教えておくか、重要なデータなどをパソコンやスマホに残しておかない、といった対処法しかないので、高齢の親には終活の一環として啓蒙すべきです(⇒親に終活の話を上手に勧める方法)。

故人のパソコン・スマホがロック解除できない時の対処法まとめ
・誕生日など推測できるパスワードを片っ端から試す
・パスワードのメモがないか部屋を探す
・デジタル遺品整理業者へ依頼する方法が最後の手段

ちなみにロックが解除できて、故人のパソコンを遺族が引き継いで利用する場合でも、相続税はかかりません。厳密には全ての物品が相続税の対象ですが、時価で換算するので価値はゼロと見なされます。パソコンはテレビやタンスなどの家財道具扱いですから、仮に税務調査が来てもデジタル品などは完全スルーされます。

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