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檀家をやめる方法

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自分が特定の宗教に属していなかった場合でも、お寺に先祖のお墓があるならば、便宜上そのお寺の檀家になっているはずです。経済的な理由などで檀家を止めたい場合、どうすればよいのかその方法を解説します。

檀家とは、お寺にお墓の管理を任せる代わりに、お布施などをして経済的に支援する家の事。また、檀家になっているお寺の事を菩提寺と言います。江戸時代に、全ての人間が寺の檀家となり、戸籍管理を寺が請け負った「寺請制度」がその源流です。
檀家の語源は、古代インドで使われていたサンスクリット語の「ダーナパティ」から転じた言葉と言われており、庇護者・施す者という意味があります。

檀家としてお寺にお墓を建てる場合、永代使用料と管理料が必要です。永代使用料は、そのお寺にお墓を置くための費用(場所にもよりますが50万円前後)で、最初に一回払えばOKです。一方、管理料とはお寺がお墓を管理していくために必要なお金で「おせがき」や「施餓鬼会(せがきえ)」と呼ばれることもあります。この管理費が毎年1万円前後必要となります。

檀家になると、毎月家にお坊さんがお経を唱えに来る「月忌法要(月参り)」が必要だ、といわれる寺院もあります。月忌法要では3〜5千円のお布施が相場ですから、年間で4〜6万円程度のお金が必要になります。

★関連ページ;お寺の法要(月参り)の上手な断り方

近年は核家族が進んだ事で、先祖代々の家に住み続ける人は少なくなりました。その結果、ふるさとでお墓を維持していくのが難しくなり、檀家をやめたいと考える人も増えてきています。酷いケースだと、自分がどの菩提寺の檀家になっているのかすら知らない、という人も居るようです。こうなってくると、檀家を続けることを断るのが賢明な選択ですが、どういう方法で辞めれるのでしょう?

檀家をやめる方法としては、まず最初に菩提寺の住職にその旨を相談する事が必要です。菩提寺がお寺として運営していくには、檀家からのお布施が不可欠です。ゆえに檀家が減ってしまう事は、菩提寺にとって好ましくありません。経済的事情や遠方へ引越すなど、どうしても檀家をやめざるを得ない理由があれば菩提寺側も納得するでしょうから、十分に話し合うべきです。

事前に何の連絡もなく突然「明日から檀家をやめたい」などと申し出ると、菩提寺とのトラブルに発展する恐れがあるので注意すべきです。檀家をやめる際は、10〜20万円程度の離檀料(これまでお世話になった感謝のお布施)を支払うのが一般的ですが、菩提寺と揉めていた場合は、100万円以上もの離檀料を請求されてしまう事もあるようです。

残念なことに「最後だから搾り取ってやろう」と高額な離壇料をふっかけてくる悪徳坊主も、一部には存在するので注意が必要です。離檀料はお布施の一環なので決まった金額はないので、あまりに高額の請求をされた場合は「相場とかけ離れすぎだ」とか「弁護士に相談する」などと強く突き返すべきでしょう。離壇料はあくまでお寺が勝手に決めたことで、法律で定められている訳ではないので、足元を見られないよう、こちらも断固とした態度で挑むべきです。

遺骨の移動には市町村の許可などの手続きが必要

そして、檀家をやめるには菩提寺からお墓を撤去する墓じまいの手続きが必要です。永代使用料はあくまでもお墓を建てる権利を得る費用であり、その土地を購入した訳ではないのです。

当然ながら、墓じまいは墓石だけ撤去するのではなく、これまで納められていた遺骨も全て引き取る必要があります。遺骨を別の場所へ移動する際は、市町村が発行する改葬許可証が必要と法律で定められているので、予め手続きを済ませておく必要があります。

なお、引き取った遺骨は新たなお墓に納骨する他に、料金の安い公営霊園の合葬式墓地(複数人の遺骨を共同で埋葬する)や散骨(遺骨を細かく砕いて海などに蒔く)、あるいは手元供養といった方法を選択すれば、お墓の管理コストが必要なくなります。

檀家をやめる方法まとめ
1.まず最初に菩提寺に相談する。突然申し出ると問題になるので注意!
2.お寺に対して離壇料が必要(平均で10〜20万円)
3.墓じまいの準備(改葬許可証などの必要書類を揃える)を行う

檀家を円満にやめる方法は、手続き云々よりも、とにかく菩提寺の住職との関係を悪化させない事が最重要です。先祖代々、長年お世話になってきたという気持ちを忘れずに、円満な別れを迎えられるように問題解決を図るべきです。

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